石垣正対オルソ作成(チャレンジ案件)

いつもお世話になってるお客様から、石垣復旧工事の正対オルソのお話を頂きました。

通常のオルソ作成ならなにも問題無いのですが、今回の現場はココ

コレです!

復旧途中なので当然足場などの障害物があるのですが、あまりのチャレンジ案件でニヤけてしまいました。

Phantom4RTKを飛行させ上面側面からと手持ちで接写して位置座標つき写真、細かいところは通常カメラを使用して約1000枚の写真を撮影しました。

点群作成から障害物の消去まではあっさりと出来たのですが、

あとは根性でオルソ写真を仕上げました。

石垣から障害物までの距離が短い箇所や集まっている場所は障害物を消しきれませんでした。また足場の上は直射日光で下は影になっている関係上どうしても質感が均一な画像になりませんでした。

お客様からは想像以上の出来だとのお言葉を頂きチャレンジした甲斐がありました。通常は復旧途中の石積みは足場等の障害物があるため記録に残しにくかったそうです。

また一つレベルアップすることができましたw。

地上レーザー(BLK360)の特殊な使い方?!

社内の調査部門から人が入る事ができない(物理的にも・酸欠の恐れもあり)埋め殺しの貯水槽の寸法が測りたいとの相談がありました。

地上レーザーを使用するのが手っ取り早いのですが、当然落っこちたら回収不可能なので数百万がパーですw

BLK360自体は逆さ吊りOK(どのような角度でも運用可能)なのですが、ロッドやスタンドは吊り下げ用には設計されていないでしょうから事前に色々なテストを行いました。(ロッドがスポッでポシャは悲し過ぎなので)

大丈夫な事は確認したのですが、やはり現場で突っ込むのは結構勇気がいります。正直なんとも言えない感覚で股間あたりがスースーしますw

ロッドは上下で微妙に太さが違うのでこの方法しか吊り下げ出来ませんでした
さよーならー、頑張ってねー

1スキャンでデータの取得は完了し、必要な寸法も計測することが出来ました。

で、これだけでは面白くないのでビューアで表示してマイクロドローン風に視点を変更しながら動画を作成してみました。(解像度は低いですが)

ドローンレーザーを背負って使ってみた話(Lidar SLAM)

マルチプラットフォーム型レーザー(PHOENIX SCOUT-ULTRA)をSLAMで運用しています。

キャリア(背負子)へLiDARとGNSSを固定して徒歩や自転車でのデータ取得をしていますが、手っ取り早いしドローンと違って周りへ気を使わなくていいし、精度もなかなかのものです。

ただ、高価な LiDAR を背負って自転車に乗るのはかなりのプレッシャーもありますが…w

現在は固定方法等が違いますがこんな感じです。

GNSSで位置座標を取得しながらのSLAMなので当然FIX率が高いほど全体の精度も向上します。

受信できる衛星数を少しでも増やすため、 GPS GLONASS Galileo BeiDou QZSSを使用できるソフトバンクのichimillの補正情報を2020年から使用しています。

また、u-blox F9P搭載したDrogger DG-PRO01RWSを使用して好きな場所で基準局を設置し、BizStation様の運用するNtrip Casterも使用出来るようになり、様々な方法で BeiDou も含めた衛星を使用する事が出来るようになりました。30個以上受信することもありますので、FIX率は今までと比べかなり上がっています。

(このDrogger DG-PRO01RWS小型・軽量・安価であり会社対応も全てにおいてすばらしいです!)

先程も書いたようにドローンが飛ばせない場所でも気兼ねなく計測が行えるのがメリットの一つなのです。

DID地区、第三者上空でも関係ありませんので市街地でのデータを取得してみました。

こちらでグリグリ動かして見れます Potree Viewer(かなりデータは間引いていますが重たいかもしれません)

このエリアでは自転車を使用して15分✕2回の時間で観測が終了しました。途中FIXが切れたのはごくわずかなエリアだけで、検証点においては水平・垂直ともに5cm以内の誤差となっていました。

何に使用するかにもより求められる精度も違い一概に比較は出来ませんが、地上レーザーと比べても現地作業は明らかに少ないです。

このようにSLAM単体での運用も出来ますし、 ドローンからのデータと組み合わせる事で取得できない場所は少なくなるでしょう。

マルチプラットフォーム型LiDAR導入しました(UAV LiDAR & SLAM)

2020年2月にマルチプラットフォーム型LiDAR「PHOENIX社 SCOUTULTRA(VLP32)」を導入しました。

IMG_9871

もちろんUAVに装着させての観測も可能ですがIMG_9870

導入の決めてとなったのはマルチプラットフォームでの運用が可能になった事でした。

地上での運用ではGNSSの受信状態が良い場所であればUAVでの運用と同じように軌跡解析(Tightly coupled)から点群を発生することも可能ですが、地上での観測では基本的にGNSSの受信状態は良くないのでSLAMでの運用が基本になります。

基本は徒歩での観測ですがIMG_0201

自転車での運用も行っていますDSC04742-2

 

 

 

この現場では中央部分の道路はUAVでのデータ取得が難しい状態ですが

上空からUAV(灰色)、地上から自転車(赤色)で取得した点群を合成すれば、ほとんどの場所のデータが得られます。

断面で見ると

3D表示でみると道路付近のデータが多く取得出来ているのが確認できますね

SLAM等の詳しい記事はまた改めて。

Phantom 4 RTKは測量機器なのか?!

当社でのSFMでのお仕事はすっかりPhantom 4 RTKの独壇場になり、インスパイヤ&X5(XT)の出番は赤外線のみになってしまいました…。(泣)

P4Rはコントローラーの画面が小さかったりGSRTKしか使えなかったりとイマイチな奴ですが今や手放せない存在です。

先日、ある現場でオルソ写真の作成を頼まれ、地上追従モードで対地高度100mで飛行撮影してきました。

P4R写真のMetashapeでの解析は全てのGCPは検証点としてのみ使用しており、対地高度100mでも水平・垂直とも通常は数cmに収まります。へたにGCPを評定に使用してガチガチに縛った場合はGCP以外の場所で歪が出てしまいます。

今回の現場は樹木でGCPが見えない箇所も多く全ては使用できませんでした。

PhotoAlignmentを終わらせ、写真上でのGCPを調整していくといつもより誤差が大きい…。うーん。

セルフキャリブレーションが上手くいかなかったのかを疑いましたが、そうでもなさそうな感じ。

基準点F2からF26にかけて東西方向の誤差が大きくなってる? あー、もしかしてそういう事?

発注元に基準点の観測方法を聞くと、上(F1)の方にGNSSを2点スタティックで落として、下(F26)に向けて観測して行き、上の絵では見えてないけど確定測量の基準点に付けたとの事。そこでの水平誤差が18cm程度だったそう。

なるほどやっぱりね。これでスッキリしました。

その後、確測基準点を単点RTK観測してくれて計算し直してくれたらバッチリでした。  ※もちろん当初のGCPを用いてジオリファレンスすることも可能です。RTKの撮影位置を使用したバンドル調整をそのまま使用するので地形モデルの歪もありません。

今までのUAV写真測量の精度はGCPの精度・配置などに大きく依存していたので、上記のような事は知る由もなかったのです。

まあP4Rは上空の電波状況の良い場所で単点RTK観測を数百点~数千点行い、それを元にデータを作成するから良くて当たり前って感じです。

あとはセルフキャリブレーションを確実に行える方法が確立されれば測量機器と呼んでもいいかもしれないですね。

マイクロドローン導入しました

5.7Ghz一般業務用で無線局を開局しました。

10cm程度の機体で1080/60p映像の記録が出来ます。DJIの機体と違い完全マニュアル操作なので難しいけど面白いです。これぞラジコンって感じです!

この動画は練習がてら適当に飛ばしているのでストーリーはありませんが、Premiere Pro でワープスタビライザーとレンズ補正をかけています。カラコレまでするともう少し見栄えが良くなるでしょう。※忙しくてやっつけ仕事ですいません

もう少し練習してまともな動画をアップしますね!

 

で、第二弾

Phantom 4 RTK 地形認識モード追加!

先日のPhantom4RTK 最新ファームで地形追従のモードが追加されていましたね。

精度がいいのは判ったのですが、地形変化がある部分には使えずどうにかならんかなあと悩んでいました。
やっと地形追従モードが追加され嬉しいけど本当にちゃんと動くのか不安が…。

IMG_20190522_090009

試そうと思いつつ忙しく、本日やっと山間部の撮影があったので試してみました。

地理院の5mメッシュを読み込ませ、対地高度低いと怖いのでとりあえず100mでGO!

ちゃんと地形に沿って飛んでいましたが、KMLファイルと同時に読み込みが出来なかったりと不満も色々ありますが、とりあえずはOK!

今は誰でも使えるように全自動ですけど、細かく設定できるマニュアルモードの追加も欲しいですよね。

今後は色んな現場で試してみたいです!

LiDAR UAV(レーザードローン)の実力は?

先日、土砂が崩落した災害現場をレーザー搭載のドローンでデータ取得を行いました。

いつものように基線解析、点群作成、フィルタリングを行いDEMデータを作成しました。ここでは何も気づかなかったのですが、GISソフト上でDEMデータの表示方法を色々と変えて行く中で見えてきたものがあります。

blog2オルソ写真ではわかりませんが

blog1立体地図風に表示させると、現地作業でも発見できなかった危ない箇所が見えてきました。

blog3この赤い線の部分は滑り始めていますね…。

断面で見てもよくわからなかったのですが。

当初のフィルタリング方法では発見できませんでした。パラメータを変えて行く中で見えてきました。テラソリッド(点群編集等のソフトウエア)の奥の深さはかなりのものです…。

当社のレーザーユニットはお安い(高いけど…)VLP16&APX15の組み合わせですが、植生状況や時期、データーのフィルタリングの方法によってはこのような発見も可能になるようです。高価なレーザーユニットだとどんなデータが取得できるんでしょうね。

GISでの表示方法も色々組み合わせをするのは発見も多く面白いです。

レーザードローンもGISも使い方次第では中々やってくれますよ~

PHANTOM 4 RTKの精度検証(RTK,D-RTK2,PPK)

グループ会社がPhantom4RTK(以下P4RTK)を購入したので色々と検証してみました。

以前のBLOGでも書きましたが販売店でもないし、褒めてもけなしてもなんの得にもならない立場なので正直に書きます。あと、レーザードローン(PPK)を飛ばした経験から、GCP無しでそんなに精度が出るわけないじゃんとネットにある検証について否定的な考えを持っていました。

今回検証した場所には12個のGCPが設置されています。これらはRTKで数回観測し平均値を出した2点からTSで設置し、レベルで高さを観測したものです(1~9)。3点は建物の高い場所に設置するためノンプリで観測しました(11~12)。

いくら撮影箇所が精密に観測出来ていたとしても、セルフキャリブレーションを行い焦点距離等を推測するので撮影方法が重要になってきます。推測がしやすいように垂直写真だけではなく斜め写真も撮影し解析を行いました。

昨年、facebookのドローン研究会のコメントにも書いたのですが、

SFMの処理で難しいのが垂直方向(カメラの奥行き方向)の誤差だと思います。
垂直方向の誤差を生じさせる原因にセルフキャリブレーション時の焦点距離の誤まった推定があります。
ファントム4クラスで高度70mであれば焦点距離が0.01mm推定を誤っただけで地面の標高は8cm変わってしまいます。

焦点距離の推測をする場合に難しい要因として、同高度での並行移動での垂直写真と、取得するモデルが同一平面(GCPの標高の差が無い)があると思います。
この条件の時にセルフキャリブレーションでSFMの処理をした場合、Z方向(垂直方向)に伸びたり縮んだりしたモデルが出来たりしますが、これはセルフキャリブレーションをした焦点距離が大きく違って推測されてしまったからです。

斜め写真を入れるとモデルが同一平面であっても、カメラ方向に奥行き(手前と奥ではカメラとの距離が変わる)が出るために焦点距離が推測しやすくなります。
また、PHANTOM 4 RTK等のように撮影位置が正確な場合においても、GCPを設置しない場合で撮影高度が同一の場合は焦点距離の推測が難しいので斜め写真や、高度を変えての撮影を取り入れるのが有効だと思います。

という自論が正しいのも証明する時がきました (笑)

 

すべての検証において

  • 撮影枚数は垂直・斜め合わせて60枚程度
  • 地上解像度は2cm(対地高度72m程度)
  • 解析はMetashape Professional(旧Photoscan)を使用
  • GCPは検証点としてのみ使用
  • 段階的選択で画像数2枚のものは削除
  • プロジェクションエラーは0.3以上のものは削除   で行いました。

 

1.RTKでの解析

ネットワーク型RTKでは撮影位置の高さは楕円体高で保存されています。Metashape Professionalではジオイド補正がうまく出来ないので(検証中)、撮影位置をCSVで吐き出しジオイド高(地理院サイトから参照)をEXCELで引き算してMetashapeに戻してやる必要があります。

 

2.D-RTK2での解析

ベースステーションを既知点に設置するのですがマニュアルが説明不足。GS RTKアプリではアンテナ高さをプラスした標高を入力します。ベースステーションとリンクしたら機体を再起動してやる必要があるなど何か仕様的に不思議な感じです。あと気泡もあるんですがアンテナがちゃんとまっすぐに立ってるかどうか不安。追加の気泡で設置するも脚の長さでしか調整出来ないので難しい(笑)。まあジオイド高を計算せずに使えるのでその分楽かな。

※追記 D-RTK2 の既知座標の入力ですが楕円体高を入力するのが正解のようです。RTKの計算を行っているので確かに楕円体高の入力になってきますよね。

3.PPKでの解析

D-RTK2で撮影した時に作成されたRINEXファイルやタイミングファイルを用いてPPK処理を行いました。以前の記事で書いた方法です。ただ、高度を変えての撮影などマニュアル飛行した場合はこれらの必要なファイルは作成されないので注意が必要です。

PPKの処理では高さの誤差が他と比べて大きくなっています。他の方法では撮影時のカメラ精度も一枚づつEXIFに入っているのでこの数値を使用していますが、PPKの場合は全てのカメラ精度を3cmで解析しました。ここを1mmとかにして完全固定で解析すると垂直誤差も2cm程度に収まりました。なんで誤差が少なくなるのか不明ですが・・・

D-RTKとPPKでの撮影位置を比較するとRMSEで水平方向で1cm程度、垂直方向で2cm程度の違いが出ていました。

 

これが全ての検証結果ですが地上解像度2cmでこの水平・垂直誤差の数字は自分的には信じられませんでした…。誤差の少ない検証点ではXYZ全てにおいて1cm以下のものもあります。撮影位置の誤差が数センチはあって、セルフキャリブレーションも完全では無いずなのに何でmm単位の誤差???

Metashapeの処理的に何かあって良い方に数字がでているのかと色々やってみましたがそうでも無いようです。

レーザードローン(PPK)とかでは機体位置の誤差、レーザー誤差と要因が蓄積してくるのでこんな数字になるはずがありません。

色々と考えたのですがSFMって解析前の撮影位置がある程度の精度を持っていれば、撮影位置の推測がしやすくなり結果的に精度を高める事が可能なのでしょうか?(mm単位まで!)でなければこの数字は考えられません。

いくら撮影位置の推測が良くなってもセルフキャリブレーションがきちんと推測出来ていないとダメなので、やはり撮影の方法が精度には大きく関わってきます。やはり斜め写真を入れるのと入れないのでは差が出てきます。

以下はネットワークRTKでの撮影で垂直写真のみで解析したものですが、このだけの誤差が出てしまうので斜め写真の有効性は確実のようですね。

ということで、信じたく無いのですがP4RTKは撮影次第でかなりの精度が期待できるようです。何とか穴を見つけたかったのですが本当に残念です。というかSFMって本当に凄い技術ですね!両方に驚かされてしまいました。

そういえばありました、一定の高度しか飛行できない大穴が!(笑)

XT(赤外線カメラ)を用いた害獣駆除

XT(赤外線カメラ)を使って夜間の害獣調査等は数回行った事がありましたが、今回は昼間のイノシシ猟に同行という事で色々と敷居が高かったのですが行ってきました。

昼間の捜索という事で、朝の気温が低かったため思ったよりもXTでも見やすかったのですが、昼前ぐらいからは木など周囲の温度が上がり難しい状態でした。
使用しているXTは焦点距離が19mmなので画角が狭く、広範囲の捜索には9mmの方がいいと思われます。

また、動画にもありますが温度の高い所があるため見づらく、FFC キャリブレーションが思ったところで入ってくれなくて困りました。
※後で調べると手動でも可能でした

やはり赤外線と可視光の切り替えが出来るXT2がいいんでしょうね!赤外線画像だけでは場所の特定が難しく、発見箇所の直上に行きマップでの確認しか出来ないのは痛いです。

 

何箇所か候補地を廻り、最後の箇所で最後のバッテリー残り50%ぐらいで3匹の小動物を発見。
早速、猟友会の方にお願いし、発見箇所に猟犬を入れて追い込みます。
発見箇所周辺には獣道が何箇所かあり、猟師さんが待ち伏せしていたところに3匹が現れズドン…。

 

初めてイノシシ猟の現場に行きましたが、猟犬の吠える声や銃声ですごい緊張感でした。

猟友会の方にも赤外線カメラの有効性をわかって頂く事が出来てよかったです。
必ずなにかがいるという確信があれば、猟に向かう気持ちが全く違うとおっしゃられていました。